2012年 05月 08日
西郷南洲東京顕彰会ご一行歓迎
1874年庄内から志ある人々が鹿児島に赴き、西郷から教えを受け、庄内に帰るにあたってそれぞれ書を揮毫してもらいました。庄内には西郷隆盛(南洲)の真筆が多く伝わっています。
「敬天愛人」酒井家所蔵致道博物館保管
天を敬い人を愛す、西郷隆盛翁の基本的な精神を表している言葉です。
「幾たびか辛酸(しんさん)をへて
志(こころざし)、始めて堅(かた)し
丈夫玉砕(じょうぶぎょくさい)するも
甎全(せんぜん)を愧(は)づ。
一家の遺事(いじ) 人知るや否(いな)や
児孫(じそん)のために美田(びでん)を買わず。」致道博物館寄託
この書は明治4年庄内の人たちが西郷の招きを受け、
東京深川の米問屋越後屋で懇親の宴が催されました。
その席上揮毫したのがこの書です。
揮毫の途中で筆を置き、
「西郷がもしこの詩とちがったことをしたら言行相反した男だと、
それきり見限っていただきたい」
と語り、再び筆をとり一気に書き上げたといわれています。
したがって署名が「武邨吉」とありますが、
これは鹿児島の武村(地名)の吉之助(隆盛の通称)ということです。
固い志と無私の思いがつたわってくるようです。
「虚心(きょしん)寡欲(かよく)以(もっ)て
鬼神に懐(なつ)くべし。」致道博物館蔵
皆様喜んで帰られました。またのご来庄をおまちしております。