西郷南洲東京顕彰会ご一行歓迎

 庄内南洲会の依頼もあり5月7日午前9時東京からバスでご来庄された西郷南洲顕彰会のご一行みなさまに当館での歓迎をこめて、西郷隆盛(南洲)翁の書を鑑賞していただきました。
 1874年庄内から志ある人々が鹿児島に赴き、西郷から教えを受け、庄内に帰るにあたってそれぞれ書を揮毫してもらいました。庄内には西郷隆盛(南洲)の真筆が多く伝わっています。
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「敬天愛人」酒井家所蔵致道博物館保管
天を敬い人を愛す、西郷隆盛翁の基本的な精神を表している言葉です。
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「幾たびか辛酸(しんさん)をへて
志(こころざし)、始めて堅(かた)し
丈夫玉砕(じょうぶぎょくさい)するも
甎全(せんぜん)を愧(は)づ。
一家の遺事(いじ) 人知るや否(いな)や
児孫(じそん)のために美田(びでん)を買わず。」致道博物館寄託
この書は明治4年庄内の人たちが西郷の招きを受け、
東京深川の米問屋越後屋で懇親の宴が催されました。
その席上揮毫したのがこの書です。
揮毫の途中で筆を置き、
「西郷がもしこの詩とちがったことをしたら言行相反した男だと、
それきり見限っていただきたい」
と語り、再び筆をとり一気に書き上げたといわれています。
したがって署名が「武邨吉」とありますが、
これは鹿児島の武村(地名)の吉之助(隆盛の通称)ということです。
固い志と無私の思いがつたわってくるようです。
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「虚心(きょしん)寡欲(かよく)以(もっ)て
鬼神に懐(なつ)くべし。」致道博物館蔵
皆様喜んで帰られました。またのご来庄をおまちしております。
by ChidoMuseum | 2012-05-08 23:53 | 博物館のとっておき