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出羽庄内酒井家の遺宝 みどころ4

9月17日附荘内日報連載「出羽庄内藩酒井家の遺宝展」みどころ4は、琵琶 銘 武蔵野  荘内神社蔵です。おなじく当館菅原義勝学芸員の執筆によるものです。
この琵琶は、平曲に用いる平家琵琶で、「平家物語」語る際に使用されたものです。生糸を撚った4本の弦、皮が張られた撥面(ばちめん)には、銀象嵌の三日月を付けています。月下には桔梗や萩など秋草を描き、銘にあるような「武蔵野」の風景をよく表しています。撥面の中央部には使用痕が残っており、附属の撥で幾度も奏でていたことを物語っています。もともと酒井家所有の琵琶でしたが、江戸時代のはじめには、家臣の角田儀右衛門の手に渡ります。なぜ家臣に下賜されたのか。その由緒は元和八年庄内藩のはじめにさかのぼります。角田儀右衛門とは、上野国高崎で酒井家に仕えた忠勝の近習で、酒井家に伝わった記録「大泉叢誌」では、「頗る文才も有りて田畝度量の事も委しかりし」と評価されています。儀右衛門はじめ、荘内に対して「近頃まで戦場なりしゆえ、人情も荒々しいだろうの」とのイメージをもっていたようです。そのため、熊野の山伏を装って偵察に窺いました。鶴岡に入ると土地の開けていること、東西南北の山海の素晴らしきことかから「善国」と知って忠勝に報告したといいます。偵察途中には盗賊と間違えられて逃げたりと多くの困難を伴いました。この琵琶は、このような苦労と功を賞して忠勝から角田儀右衛門へ授けられました。その後明治時代に入ってから角田儀右衛門の子孫が荘内神社に奉納し今日まで伝わりました。
 
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by ChidoMuseum | 2015-09-16 18:58 | 博物館のとっておき | Comments(0)