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出羽庄内酒井家の遺宝 みどころ5

荘内日報連載 出羽庄内酒井家の遺宝 みどころ5は、酒井大井戸茶碗です。
大名家が所蔵する茶道に関する道具類の目録を数寄屋帳と言います。その中には「茶入れ、茶碗、切れ類、茶入れ袋、香炉香合、硯箱料紙箱手箱、盆折敷類、皿鉢猪口、水指、掛物、花生、棚類、釜風炉、壺類、屏風、他」が記載されています。
その「茶碗の部」に井戸茶碗・油滴天目・高麗茶碗など70点余があげられ、井戸茶碗は3点ほど所在が認められています。
この井戸茶碗は16世紀頃に朝鮮半島から渡来した高麗茶碗の一種で、名前の由来は諸説がありますが、高台が高台が竹の節状で釉が鮫肌状であるのが特徴です。桃山時代の千利休の高弟、山上宗二が記した山上宗二記には「井戸茶碗。是れ天下一の高麗茶碗」と評されており、わび茶で最も賞翫される茶碗とされています。
旧荘内藩主酒井家が所持していたことから「酒井」の銘を持っており、酒井家から本間家に伝わり、昭和9年に重要美術品に指定されました。
この重要美術品というのは昭和8年に国内の古美術品の海外流出を防ぐことを目的として制定された法律で当時多くの貴重な古美術品が認定されました。戦後の昭和25年にその法律に代わる現在の文化財保護法が制定されてからは、その
中から重要文化財となったものも多くあります。しかしながら重要文化財ではなくともその資料の美術的価値を十二分に伝える貴重な文化財のひとつとも言えましょう。
酒田の豪商・本間家ゆかりの美術品を多く所蔵する本間美術館には茶道具も多く、中でも「割高台茶碗」「高麗青磁象嵌平茶碗」をはじめ「唐物大海茶入」などの茶道具類も酒井家からの拝領品です。
室町時代から普及した茶道は、桃山期に千利休によってわび茶として大成されたと言われます。酒井家でも3代忠勝が「潮音堂」墨跡や肩衝茶入(銘安国寺)「中山肩衝」などを手に入れたといわれています。この大井戸茶碗の伝來は不明ですが枇杷色の釉が薄くかかった一見素朴な風情の茶碗は大名であっても一人の茶人として心を引きつけたのかも知れません。本展では他に茶道具として「阿蘭陀釜」「藤四郎たが掛け茶壺」も出品しております。これらも酒井家の数寄屋帳に記載されています。(本間豊当館学芸部長)
展示期日も9月28日まで、残り僅かとなりました。是非お見逃しなく、御来館をお待ちいたしております。
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by ChidoMuseum | 2015-09-21 19:29 | 博物館のとっておき | Comments(0)