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カテゴリ:博物館のとっておき( 156 )

出羽庄内酒井家の遺宝 みどころ4

9月17日附荘内日報連載「出羽庄内藩酒井家の遺宝展」みどころ4は、琵琶 銘 武蔵野  荘内神社蔵です。おなじく当館菅原義勝学芸員の執筆によるものです。
この琵琶は、平曲に用いる平家琵琶で、「平家物語」語る際に使用されたものです。生糸を撚った4本の弦、皮が張られた撥面(ばちめん)には、銀象嵌の三日月を付けています。月下には桔梗や萩など秋草を描き、銘にあるような「武蔵野」の風景をよく表しています。撥面の中央部には使用痕が残っており、附属の撥で幾度も奏でていたことを物語っています。もともと酒井家所有の琵琶でしたが、江戸時代のはじめには、家臣の角田儀右衛門の手に渡ります。なぜ家臣に下賜されたのか。その由緒は元和八年庄内藩のはじめにさかのぼります。角田儀右衛門とは、上野国高崎で酒井家に仕えた忠勝の近習で、酒井家に伝わった記録「大泉叢誌」では、「頗る文才も有りて田畝度量の事も委しかりし」と評価されています。儀右衛門はじめ、荘内に対して「近頃まで戦場なりしゆえ、人情も荒々しいだろうの」とのイメージをもっていたようです。そのため、熊野の山伏を装って偵察に窺いました。鶴岡に入ると土地の開けていること、東西南北の山海の素晴らしきことかから「善国」と知って忠勝に報告したといいます。偵察途中には盗賊と間違えられて逃げたりと多くの困難を伴いました。この琵琶は、このような苦労と功を賞して忠勝から角田儀右衛門へ授けられました。その後明治時代に入ってから角田儀右衛門の子孫が荘内神社に奉納し今日まで伝わりました。
 
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by ChidoMuseum | 2015-09-16 18:58 | 博物館のとっておき | Comments(0)

クリアファイル発売

出羽庄内酒井家の遺宝展にあわせ、クリアファイルを発売し手います。
重要文化財色々威胴丸(酒井忠次所用)と山形県指定有形文化財朱塗黒糸威二枚胴具足(酒井忠次所用)のクリアファイル
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国宝太刀銘信房作と国宝の同拵(こしらえ)のクリアファイルです。
是非ご見学の記念としてお求めいただければ幸いです。1枚300円、4枚1000円
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by ChidoMuseum | 2015-08-30 17:33 | 博物館のとっておき | Comments(0)

旧警察署、あげや作業始まる

6月29日、旧警察署のあげや工事 始まりました。柱等、鉄骨で固定し、建物の北側を油圧で挙げました。

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玄関の飾り石の上の柱が、10cmあがりましたが、ただ石の上にのっているだけ。
 新潟地震、東日本大震災に良く耐えられたものと思います。これを70cmあげることになります。

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旧警察署工事終了後に予定されている石垣修理のため弘前城のひきやをあわせてテレビ取材し、放映する予定と聞きました。その映像が今から楽しみです。
*追加  7月5日写した下の写真、建物全体が75cm上がった状態。上の写真と較べると「見事に上がったな!」。
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by ChidoMuseum | 2015-07-06 17:17 | 博物館のとっておき | Comments(0)

重要文化財旧鶴岡警察署庁舎の修復事業

高橋兼吉が設計し、明治17年創建された旧鶴岡警察署庁舎が、地元建築士の皆様が後世に残したいと熱望し昭和32年当館に移築以来56年が経過しました。
新潟地震、東日本大震災などにも耐え忍んできた旧鶴岡警察署庁舎、
平成25年9月から平成29年9月までの重要文化財旧鶴岡署庁舎修復工事計画です。
警察署庁舎が重要文化財に指定されたのは日本全国で初めて、それだけに、修復も明治創建当初を基準に、いろいろ庁舎内使用方法や歴史を検証しながら、また各地の類例を検証調査しながら慎重に進められ、いろいろ検討のうえ設計図等がつくられつつあります。
平成25年11月から平成26年5月中旬まで環境整備準備、仮設工事、素屋根かけが終了しました。  
 1階および2階一部は健全と判断、全解体でなく骨組を残した半解体工事に変更を文化庁が指導了承しました。
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 平成26年5月から平成26年10月末までの解体工事が完了しました。
 木材、柱一つ一つに番付を付し、釘、ガラス、瓦等、また工事痕も一つ一つチェックする気が遠くなる丁寧な解体工事でした。
釘あとチェックと番付(写真)
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 設計的な新発見あり、直ぐ道路に面して復元できないことや、交通上の安全性の観点からも北に館内1m移動という案が3月13日文化財審議会および文化庁で了承されました。
平成27年1月20日から1月27日までの埋蔵文化財の調査が終了しました。
平成26年12月から平成27年6月30日まで、古材補修、新材加工等木工事と基礎解体工事がおこなわれています。と同時に、今後、1m移動ということで、「ひきや」の準備が急ピッチで進められております。全体を鉄骨で足下をかため、柱等を一体化して油圧ジャッキアップで一斉に70cmあげます。その後、その下の石等基礎を解体し、移す箇所に基礎をつくり、その基礎に移動してのせます。文化財建造物ひきやの経験豊富な県内の工事担当(株)我妻組は、この旧警察署庁舎終了後、石垣修復等のため弘前城のひきやをおこなう予定と聞いています。素屋根をかけた鉄骨や足場がある限られた環境での作業、ひきやの技術は大したもの。
また旧警察署庁舎は、公開有効保存活用するため、活用計画検討委員会を設け、11月21日、12月16日、1月30日、3月26日開催しました。その内容を設計に活かせるようしながら関係機関と協議いたして参ります。
今後建設が本格化して参ります。
皆様、旧鶴岡警察署の竣工をご期待下さい。
ひきやの準備にはいる(下 写真 6月19日)
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by ChidoMuseum | 2015-06-15 17:15 | 博物館のとっておき | Comments(0)

出羽庄内酒井家文書目録刊行

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 本年は当館創立65周年の節目の年に当たり、昭和26年に刊行したガリ版刷り「酒井家文書目録」収載の史料を再整理して、原史料と照合し、より詳しく内容を説明した改訂版「出羽庄内酒井家文書目録」を発刊いたしました。
 庄内地方の歴史を知る原史料を大切に後世に伝えて行くとともに、多くの皆様にご活用いただけますよう願っております。
 当目録は、当館文化資源調査事業の一環として鶴岡市から助成をいただき刊行となったもので深謝に堪えません。また作成にあたり関係機関、関係各位から多大なご協力をいただき心からお礼を申し上げます。

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全147頁
永禄2(1559)年~明治30(1897)年
数量 2350点
平成27年6月より 限定150部頒布予定 価格3000円(税込)
◎内容
口絵
序(酒井忠久館長)
総目次
凡例
細目次(目録編成一覧)
解題
目録
酒井家
藩庁
大泉県以後
参考資料
酒井家歴代年表
酒井家歴代表
酒井家系図

◎出羽庄内酒井家文書目録作成担当
犬塚幹士(題字も担当)
酒井英一
本間 豊
菅原義勝(編集主任)
長南千春
松田裕美(26年12月まで)
佐藤 淳(27年01月より)
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by ChidoMuseum | 2015-04-15 12:01 | 博物館のとっておき | Comments(0)

東京友の会開催

 3月14日東京江戸川区船堀で当館友の会を開催いたしました。
期末のお忙しいところ、江戸川からもご参加いただきましたし、大勢の皆様からご参加いただき厚く御礼申し上げます。
始めに当館の概要、展覧会の御案内や重要文化財旧鶴岡警察署の修復現況などご報告いたしました
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その後、芥川賞作家辻原登先生にご講演をしていただきました。江戸の金魚池や奥の細道松尾芭蕉の俳句のお話、そして鶴岡松ヶ岡三瀬などを舞台にもなった日経新聞に連載された辻原先生の小説「発熱」、丸谷才一先生のお話をうかがい大変感銘深い有意義な時をすごしました。セレモニーから懇親会福引きまでとおして酒井忠順理事が司会して進行しました。
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中村ゆかりさんは前年度旧警察署寄付のチャリティコンサートを鶴岡で開催していただきましたが、またあまえて中村ゆかりさんにオープニングミュージックをお願いしました。中村さんのバイオリン演奏「チゴイネルワイゼン」の名曲で開会、乾杯を小林武さん、懇親を深め、最後に福引きをおこないおおいに盛り上がりました。「雪のふるまちを」「ふるさと」中村さんが演奏、合わせてみんなで合唱した後、最後は渡辺 洋さんから締めていただきました。
ちなみにお酒は、大山、栄光富士、白梅、出羽の雪、竹の露、千代寿、月山ワインの各社さまからご協賛いただきました。また福引き景品は、木村屋、鶴岡シルク、月山ワイン、千代寿、松岡物産各社からご協賛いただきました。おかげさまでおおいにもりあがり、楽しい会となり、ご協賛いただきました各社さまに厚くお礼申しあげます。有り難うございました。


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by ChidoMuseum | 2015-03-15 10:37 | 博物館のとっておき | Comments(0)

重要文化財旧警察署修復工事


 重要文化財旧鶴岡警察署庁舎修復工事につきましては、皆様から、多大なご支援ご協力を賜り、大変有り難く厚く御礼申し上げます。  明治17年大工棟梁高橋兼吉の設計施工により現鶴岡市役所東庁舎のところに明治初期文明開化の象徴である鶴岡警察署庁舎が建設されました。その後新庁舎等の建設伴い、昭和32年致道博物館内に移転復元されました。
 「洋風意匠」(白塗りの下見板張り等)と「和風意匠」(城で使用された赤瓦、破風飾り等)を巧みに組み合わせ、お城の天守を思い起こさせるような塔屋がある独創的な外観をもつ擬洋風建築の 警察庁舎として我が国唯一の重要文化財指定を受けた旧鶴岡警察署庁舎です。
 予定では平成25年11月から平成29年6月まで公益財団法人文化財建造物保存技術協会の設計監理のもと、現在2期工事中で山口工務店加藤工匠が工事に携わっております。
 また明治からの歴史、経過、周辺環境、そして内部の室の使用名称など同時進行で調査が進められました。そのため、宮城県の県指定文化財旧登米警察署庁舎、埼玉県の県指定文化財旧本庄警察署庁舎など類似建造物も参考に調査情報収集されておりますが、不明なところもあり、なにか情報がありましたらお知らせいただければ大変有り難く存じます。
 第1期の解体工事は平成26年3月から始まりほぼ全ての造作材や床組が解体された状態です。どんな小さなことも見逃さず、大小の原材料一つ一つ番付つけながら保存、丁寧に解体されました。興味深い発見等もあり外観も明治創設当初の状態をめざしておりますので、ご期待ください。当初計画では全解体の予定でしたが、状態が良好であり、文化庁と設計監理者の調査検討により1階の柱等だけを残した半解体状態で基礎、木部補修工事を実施することになりました。2期工事は補修工事を行う予定です。
今後3期、4期と工事は平成29年までつづき、竣工が大変待ち遠しく思う昨今です。
修復前の旧鶴岡警察庁舎
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架設の屋根より金峯山を望む
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by ChidoMuseum | 2015-02-02 17:10 | 博物館のとっておき | Comments(0)

杉村惇「最上川五月」絵画をご寄贈いただきました。

 1月16日午後1時から、杉村 惇画伯のご遺族、杉村 豊様よりご寄贈いただいたもので杉村 豊様、杉村 翠様、土方正士さまからお越しいただき、「最上川と月山」の絵画の贈呈式がおこなわれました。杉村惇画伯は、日展評議員、審査員、参与など歴任、東北大学教授、宮城教育大学教授として活躍され、仙台市名誉市民、平成13年逝去、平成26年11月には塩竃市杉村惇美術館が開館し、その名誉館長には染色作家杉村 豊氏が就任されました。両親が鶴岡、当館犬塚幹士理事と縁戚という縁が深く、今開催中の「犬塚甘古・一瓢」展にあわせて運びとなりました。いったん当館に收藏し、3月上旬から1ヶ月間塩竃市杉村惇美術館で開催される特別展に出品されます。
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塩竈市杉村惇美術館名誉館長杉村 豊氏と寄贈絵画「最上川五月」
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by ChidoMuseum | 2015-01-17 15:34 | 博物館のとっておき | Comments(0)

「絵画史料にみる庄内」展のギャラリートーク

10月5日(日)と19日(日) 「絵画史料にみる庄内」展のギャラリートークを行いました。両日とも午後2時から30分程、美術展覧会場にて当館菅原義勝学芸員によるギャラリートークを行ない好評を博しました。
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by ChidoMuseum | 2014-10-20 14:47 | 博物館のとっておき | Comments(0)

佐々木曜展はじまる

8月22日から佐々木曜展がはじまりました。佐々木曜画伯は、1941年生、東京都在住で、山田慎吾、高山辰雄に師事、日展会員で審査員を歴任されておられます。
 本日初日ということで佐々木先生がおいでになりました。福島大学本間志保さん、帯広大谷短期大学太田有利沙さん、東北芸術工科大学林真理さんの3名がちょうど8月18日から23日まで当館で学芸員実習中で、佐々木曜展展示作業をカリキュラムのなかでおこなったので、佐々木先生から特別にアーティストトークをしていただきました。
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 佐々木画伯は、この展覧会にあたり「絵のこと、曜のこと」というごく限定の冊子を自らつくられ、そのなかで:
「日本画」
日本画は描くのに手間がかかるし、思ったように描けません。一度描いたものを描きなおすことも出来ません。どうしても跡が残ってしまいます。そんなことで日本画を描くには、はじめに十分に案を練ります。下図を作り推敲し、構図を決め、色も決めてそれから取りかかります。途中で気分が変わり変更ということはないのです。初めから最後まで確固とした意志をもって描きます。一時の感情で描き始めることはまずしないのです。油絵の作家と、日本画の作家は、脳みその構造が全く違うように感じてなりません。
「鹿」150号  鹿に限らず馬でも牛でも猫でさえ、なぜあんなに歩く姿が美しいのだろう。鹿の場合は立っているだけで美しい。凜とした姿は一刻一刻を充実させていないと出来ない芸当だ。だらだらと歩いている私からは崇高さとしか映らない。
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「河」40P
山の斜面がじかに川に落ち込んでいる。岸辺がない。水の流れは渦を巻くが音はない。水が流れているというより、川が動いている。とうとうと流れる川のすごさ。最上川の印象である。
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「海」」150F(下記写真右)
水平線があるためにその上10cmくらいは遠い空に感じます。海のところはやはり水平線があるため海に感ずるわけです。この広い画面のなかで海を表現しているのは水平線だけ、またはその前後20cm足らずのところだけです。もちろん海の深さを感じるように色を何回も何回も重ねて描いて、深みをだしていますが、波を描くなど海らしい説明は全くしていません。同じように顔や手の周りはそこだけ見ると空でもないし雲でも無い空間です。そのなんでもない空間がこの絵の大部分をしめています。よく見ると雲のようであり、また風でもない、ただの絵の具のむらに見えます。そのむらが、空間に動きをもたらしてくれています。
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「希望」150F(上記写真左)
宝くじに当たりたいという希望ではないのです。この人物はいうなれば女神様みたいな存在、それは少し神に悪いから、せめて神様の化身なの?と感じるものにしたいのです。不純さも感じない、といっても甘いもすいもわきまえている、そんな姿を描きたいと思っていた作品です。

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「春来る」55変

 
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「鯛」20F
当館では平成15年特別展「游の会 飛翔する12人のアーティスト」でご出品いただき、静謐な画面の中に強靱な意志を感じさせる作品を鑑賞することができました。本展では、人物風景静物をモチーフとした幻想的な佐々木曜の世界をご紹介します。
「日本画の制作実演」講師佐々木 曜先生によるギャラリートーク「列品解説」 (13:30~14:30 )とワークショップ(14:40~16:00 )を予定いたしております。
 上記作品の他、「黄葉」150F「雲」150F「桜」150F「野」150F「花」120F「桜樹」6曲1双「桜」100F「花影」50P「星の夜」40F「松風」50P「橋」40P「森林」30変「山頂湖」50F「宇」100P「2つの橋」25F「緑野」20M「静夜」20P 素晴らしい幻想的な作品を展示いたしております。
 9月24日まで開催中です。みなさまのご来館をお待ち申し上げております。
 
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by ChidoMuseum | 2014-08-22 18:16 | 博物館のとっておき | Comments(0)