8月9日午後2時から山形県埋蔵文化財センター・日本考古学協会会員の阿部明彦先生を講師に迎え、「土偶~縄文時代の土人形」と題して土曜講座を開催しました。
国宝・縄文の女神・・・縄文時代の重要な信仰的遺物の土偶、どんな用途、目的があったのだろうか!
実物資料を使いながらお話し・・・

致道博物館の充実した地元資料のご紹介をします。

この土偶頭部は、大正年間に酒井忠純(旧第14代庄内藩主酒井忠宝の子)と犬塚一瓢(荘内藩士犬塚又兵の子)が鶴岡市岡山遺跡で採集したものです。採集したことを喜んで現地で祝杯をあげたという逸話が残っています。縄文時代晩期の土偶と違って、写実的で、おおらかな中にも必死の祈りが感じられます。
鶴岡市岡山遺跡出土 土偶(頭部) 縄文時代中期

鶴岡市岡山遺跡出土 土偶(頭部) 縄文時代中期

鶴岡市谷定遺跡出土 土偶(頭部) 縄文時代後期

鶴岡市羽黒町高森遺跡出土 土偶(頭部) 縄文時代後期

遊佐町杉沢遺跡出土 土偶(模造) 源資料・奈良国立博物館蔵 縄文時代晩期

鶴岡市羽黒町玉川遺跡出土 土偶(頭部) 縄文時代中期
土偶とは、縄文時代に粘土をこねて人体をかたどって作られた素焼きの土人形
最古の土偶は、三重県粥見井尻遺跡出土の土偶:1万2千年~1万1千年前(縄文草創期)のもの
土偶の表現 土偶は成熟した女性像をモデルとして作られた精霊(依り代:神)
土偶の分布 北海道から九州(中心は東日本)、西日本は極めて少ない。
顔がない土偶
顔の表現よりも新しい命を生み出す力=成熟した女性の身体的特徴を表現することで人々の願いを託した?
などなど興味つきないお話しを講座室はいっぱいの受講者の皆さんは熱心に聞きいっていました。