大宝館で鶴岡が生んだ肖像写真家五十嵐輿七の生涯展

 人物資料館大宝館の企画展示が5月17日附荘内日報に掲載されました。是非みなさまごらんいただきたくご案内申し上げます。
 大宝館(市有形文化財)で企画展「鶴岡が生んだ肖像写真家五十嵐輿七の生涯展」を開催しています。2024年に新1万円札の顔となる日本の資本主義の父と呼ばれた実業家渋沢栄一の御用写真家を務めたとして、写真家五十嵐輿七を紹介する企画展。輿七は1885年鶴岡市生まれ、母の実家である湯田川温泉の御殿旅館(現 湯殿庵)で手伝いをしながら幼少期を過ごした。仙台市で写真技師の下に弟子入り、修業を経て1905年に渡米。ニューヨークで独立した後に帰国、日本の所蔵写真の第一人者として第一線を歩み続けた。渋沢との知遇を得たことをきっかけに勤勉さや誠実さを評価され、渋沢家の人々を撮影し密な関わりを持った。ほかにも、皇族や政財界、外国の名士などを撮り続け、企画展示ではこれまで撮影してきた人物も展示している。モノクロ写真からは今にも人物の息づかいが感じられそうで、セピア色の魔術師との呼び声もあり、65年に営業写真界で初めてとなる紫綬褒章を受章した。佐藤秀美学芸員は「一言で努力家、努力すること、目標を持つことの大切さを教えてくれる人。小さな展示空間ではありますが、多くの人に知ってもらい、是非楽しんでいってほしい」と話す。鶴岡の寛明堂写真館の先代が東京・五十嵐写真館で修行したそうである。同館ではほかにも鶴岡ゆかりの32人の人物資料を常設展示している。このうち、鶴岡市名誉市民第一号のドイツ文学者、相良守峯が今回から加わった。「木村・相良独和辞典」を編集した人物としてモ知られ、展示では生前に愛用していたトランクケースなども並ぶ。入館無料、開館時間は午前9時から午後4時半(水曜日定休)まで。
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by ChidoMuseum | 2020-05-16 20:29