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紙鳶洞(しえんどう)コレクション「日本人形の美」

紙鳶洞(しえんどう)コレクション「日本人形の美」 6月6日まで

日本の伝統文化に育まれた人形。それは様々な美術工芸の集大成であるとともに、祈りや祝いの心を托したヒトガタでもあります。子どもの成長を願った江戸時代の雛人形や五月人形、気品あふれる宮中ゆかりの御所人形、各地で作られた素朴な郷土人形、人間国宝による芸術作品など、その姿かたちはじつに多種多様です。人形研究家の林直輝氏のコレクションから「造形の美」と「心の美」を備えた優品約60点を展観。あわせて、節句に飾られた掛け軸と幟(のぼり)約20点を紹介します。

ギャラリートークは、4月24日午後2時から好評のうち終了、次回は6月6日行います。


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御所人形   饅頭喰い    江戸時代後期    1体   15.5cm

御所人形は、ほぼ三頭身のまるまるとした体つきと、つややかに磨きあげられた白い肌により健康的な幼児の愛らしさを表現した人形です。その名はこうした人形が江戸時代に主として御所(宮中)で愛好され、また御所から公家や大名などへ下賜されたことに由来します。本品は「父と母とどちらが好きか?」と問われ、二つに割った饅頭を手に「どちらがおいしいか?」と反問したという賢い子どもがモチーフとなっています。(紙鳶洞コレクション「日本人形の美」の中から)

梓(あずさ)弓  昭和14年(1939) (頭)野口光彦作 (胴)馬場玉宝作  1体  63.0cm

歴史画の父と称される日本画家・小堀鞆音(ともと)が描いた楠木正行(まさつら)像を立体化した作品です。題名は決死の覚悟で四条畷(なわて )の戦いに赴く正行が、吉野の如意輪堂の扉に矢じりで刻みつけたという辞世「かへらじとかねて思へば梓弓なき数に入る名をぞととどむる」にちなんでいます。日本画に取材した点では同時期の平田郷陽の作品にも通じますが、ともに単なる立体化ではなく、作者自身の心情や見解が多分に反映された独自の芸術作品とみることができます。極端な写実に偏ることなく、絵画的な良さを活かした容貌や、甲冑や装束の質感など、人形ならではの表現が大きな魅力となっています。なお、馬場玉宝(次郎吉)は五世・渡辺玉翁に師事し、五月飾りの甲冑づくりに定評があった東京の人形師です。(紙鳶洞コレクション「日本人形の美」の中から)

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 鍾馗    江戸時代後期(19世紀)  1体  45.0cm

魔除けの象徴である鍾馗は、江戸時代から五月人形として大変好まれました。本品は頭と手を木彫の木地仕上げとし、特に顔面は木目が美しくでるように細やかな配慮がなされています。また渋好みの衣装には輸入品とおぼしき珍しい裂が使用されており、両脚でしっかりと自立するところも作者のなみなみならぬ力量を物語っています。(紙鳶洞コレクション「日本人形の美」の中から)

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衣装人形 小野小町   江戸時代後期(19世紀)  1体   40.0cm

平安時代の歌人で絶世の美女として知られる小野小町。才色兼備のその姿を表した人形が数多く作られてきたのは、古来、日本人の間で理想的な女性像とされてきたことを示しています。女の子の幸せを願う雛祭りに好んで飾られた人形のひとつです。(紙鳶洞コレクション「日本人形の美」の中から)

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4月24日オープン、林直輝氏の「日本人形の美」ギャラリートーク

 
https://twitter.com/i/status/1385841320296468484
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図録「紙鳶洞コレクションの日本人形の美」ご購入(執筆:林直輝 p70。1000円)の参加者に特別に凧絵とサインする林直輝氏


林 直輝(はやしなおてる)氏 略歴:

1979(S54)年、静岡県富士市に生まれる。目白大学人文学部卒業後、2002(H14)年吉德資料室に学芸員として勤務。同室長を経て、現在客員研究員。日本人形文化研究所所長、日本人形玩具学会理事。また、テレビ番組「開運!なんでも鑑定団」の日本人形鑑定士も務めており、
「骨董喫茶健康堂」(静岡県富士市)の代表、凧絵師でもある。









by ChidoMuseum | 2021-04-23 18:25 | Comments(0)